インターネット上で、価値の流動性を高めるブロックチェーン技術は、金融機関や決済に関わるインフラにおいても見逃せない技術となりました。 2025年8月17日には日本初の円建てステーブルコイン(資金移動業型)が金融庁に承認されることとなり、本格的な変革期へと移っています。
TOPICS
注力トピック
分散型金融と既存金融の統合
ブロックチェーン上で、中央集権的な仲介者なしに金融取引(レンディング、スワップ等)を実現する分散型金融。分散型金融による取引の自動化や24/365対応が可能な特性が今後の既存金融にも影響を及ぼすことが予想されます。
ステーブルコイン
法定通貨と連動したブロックチェーン上で発行されるトークンであるステーブルコインは、今後の決済インフラとして期待され、ブロックチェーンにおけるアプリケーションとシームレスに接続することができます。
トレジャリー事業やノード運用などの新しい事業モデル
BTCやETH、XRPなど今後の金融市場において大きな影響力を持つ可能性から暗号資産を自社の投資ポートフォリオに組み込む事業者が増えています。また、自社でノードやバリデータなどを運用して、ブロックチェーンのインフラをもつ企業も増えています。
RWA(リアル・ワールド・アセット)
不動産や株式、金銭債券のような金融資産から農作物や酒類などのコモディティ商品まで現実資産をブロックチェーン上でトークン化して販売。新たな金融資産の構築や流動性の低い資産への新たな資金を呼び込みなど、投資機会を広げることができるようになります。
ISSUES
重要論点
金融サービスの透明性と効率性の向上
分散型金融(DeFi)は、仲介者を排除し、スマートコントラクトによって取引を自動化することで、取引の透明性と効率性を劇的に向上させます。これにより、時間や場所に縛られない24時間365日の金融取引が可能になり、既存金融では非効率だったプロセスが刷新されます。
決済インフラのコスト削減と利便性向上
ステーブルコインは、国境を越えた送金手数料を大幅に削減し、決済をリアルタイムで行うことを可能にします。また、ブロックチェーン技術を基盤とするため、従来の銀行システムのように営業時間の制約がなく、シームレスな決済体験を提供できるため、グローバルな商取引をより円滑に進められます。
企業の新たな収益源と事業モデルの創出
BTCやETHなどの暗号資産を企業のポートフォリオに組み込むことは、既存の金融資産とは異なる新たな収益源を獲得する機会となります。また、ブロックチェーンのノード運用やバリデーターとしてインフラを支える事業モデルは、将来的に金融の基盤となる可能性を秘めています。
新たな投資機会の創出と資産の流動性向上
RWA(リアル・ワールド・アセット)のトークン化は、これまで投資ができなかったアセットや流動性の低い資産を小口化し、多くの投資家が購入できるようになります。これにより、新たな資金が市場に流入し、資産の流動性が高まることで、個人の投資機会が拡大し、資産運用の選択肢が多様化します。
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