オンチェーン金融解説
ノンカストディアルウォレット規制は出入口に掛かる 日本の26年改正も義務は交換業者に置いた
ノンカストディアルウォレットとは、暗号資産を動かす権限である秘密鍵を利用者自身が保管し、交換業者などの事業者が資産に触れられないウォレットです。事業者が鍵を預かるカストディアルウォレットと対をなし、規制の文脈ではアンホステッド・ウォレットとも呼ばれます。
KYCなしで与信は成立するのか 担保の自動清算がAave V3の貸出2.0兆円を支える
スマートコントラクトによる与信とは、借り手の身元や返済能力を審査する代わりに、差し入れられた担保の価格をプログラムが常時監視し、基準を下回った時点で担保を自動的に売却して貸付金相当を回収する融資です。回収の実行が契約に組み込まれているため、本人確認を前提としません。
株式トークンは様子見の段階を過ぎた JPMorganなど40社超が本番取引に参加した
株式トークンとは、株式の価値をブロックチェーン上のトークンとして表現し、ウォレットで保有・売買できるようにした商品です。誰が株式を保管し株主名簿を管理するかという座組しだいで投資家の立場は変わり、発行体への請求権のみの型から、NasdaqとDTCのように従来の株式と同一の権利を保つ型まであります。
「トークン化預金」が企業の資金管理を24時間化 グループ内送金は数日から数秒になった
トークン化預金とは、銀行預金の残高をブロックチェーン上のトークンとして記録し、預金のまま24時間365日移転できるようにした仕組みです。ステーブルコインと異なり残高は発行銀行の預金債権のままで、銀行のバランスシートに載り、日本の検討例では預金保険の対象とされています。
ステーブルコイン決済は日本でも広がり始めた 発行の担い手は出揃い、焦点は加盟店の受け皿に移る
ステーブルコイン決済とは、円やドルに価値を連動させたデジタル通貨(日本の資金決済法では電子決済手段)をブロックチェーン上のウォレット間で直接移転して支払う決済方法です。カード会社などの仲介を通さず数秒から数分で受け渡しが完了し、日本では資金移動業型・信託型の発行と外国発行型の流通のすべてで実例が動いています。
日本のオンチェーン金融は信託銀行が支えている 公募STの85%もステーブルコインも信託を通る
日本のオンチェーン金融における信託銀行の役割とは、トークン化される資産や資金を信託財産として分別保有し、発行者が破綻しても投資家の財産が守られる状態(倒産隔離)を法的に作ることです。国内公募セキュリティトークンの85%は信託銀行等を受託者とする受益証券発行信託型で、金額上限のない3号電子決済手段も信託銀行・信託会社だけが発行できます。
機関投資家向けDeFiは6つの役割に分業した 既存金融は担保の発行体と顧客の窓口を取っている
機関投資家向けDeFiのプレイヤーとは、担保資産の発行体・貸借の場・資金の出し手・運用の管理者・顧客との窓口・銀行自身の基盤という6つの役割の担い手です。1社が全体を担うことはなく、役割ごとに別の事業者が手数料を得ています。
機関投資家向けDeFiが2度目の挑戦に入った 担保をトークン化国債に入れ替えて再始動
機関投資家向けDeFiとは、本人確認や担保の適格性審査といった規制対応をプロトコルの内側に組み込み、金融機関が利用できるようにしたオンチェーンの貸借市場です。誰でも参加できる公開市場と同じ自動執行の仕組みを、参加者を限定した形で使います。
フラッシュローンの原理「アトミック決済」は伝統金融へ広がるか 分散台帳のレポは月1,190兆円に
アトミック決済とは、証券や資金の受け渡しと対価の支払いを1回の処理として同時に実行し、一部でも完了しなければ全体を無かったことにする決済方式です。取引相手の破綻に備える信用リスク管理と決済後の照合を、仕組みそのもので置き換えます。
「トークン化株式」がHyperliquidで暗号資産の取引高を逆転 週4.0兆円・全体の52%に
トークン化株式とは、株式の価値をブロックチェーン上のトークンとして表現し、取引所の営業時間外でも売買・移転できるようにした金融商品です。実際の株式を保管して発行する現物裏付け型と、証拠金取引で価格だけに連動させる合成型(パーペチュアル)の2類型があります。
資産を貸さずに利回りを生む「ステーキング」 報酬は証券貸借収益の7分の1規模に
ステーキングとは、保有する暗号資産をブロックチェーンの検証システムに預け入れ、取引の検証という業務を担う対価として報酬を得る仕組みです。資産を貸し出さずに追加利回りを得る点で証券貸借に、預入期間の拘束がある点で定期預金に似た構造を持ちます。
ステーブルコインの月間決済額が米ACHに並んだ 送金コストは6.36%から数円へ
ステーブルコインとは、米ドルや日本円などの法定通貨に価値を連動させ、ブロックチェーン上で移転できるように設計された決済手段です。発行体が同額の準備資産を保有することで価値を裏付け、銀行口座やコルレス銀行を介さずに送金を数秒で完了させます。
銀行間の大口決済が24時間動き出す 「オンチェーン・ホールセール決済」は1日1.1兆円規模に
オンチェーン・ホールセール決済とは、銀行・機関投資家・大企業の間の大口資金移動を、ブロックチェーン上の共有台帳への記帳によって完了させる決済の仕組みです。中継銀行を経由しないため、着金までの所要時間は数分となり、24時間365日稼働します。
満期のない先物が24時間動く 「無期限先物」はCME暗号資産先物と同じ桁に
無期限先物(パーペチュアル)とは、満期を持たず、「資金調達率(ファンディングレート)」と呼ばれる金利のやり取りによって価格を現物に連動させるデリバティブ商品です。満期日の強制収斂の代わりに常時働く経済的圧力で価格を繋ぎ止めるため、投資家は建玉の乗り換えなしにポジションを維持できます。
担保ゼロ・審査ゼロの融資「フラッシュローン」はなぜ成立するのか 累計160兆円が動いた
フラッシュローンとは、借入から返済までをブロックチェーン上の1回の決済処理の中で完結させる無担保融資です。返済まで完了しなかった場合は借入を含む一連の処理そのものが取り消されるため、担保も審査も必要とせず、貸し倒れという概念自体が存在しません。
オンチェーン金融とは 従来金融との違いと、企業が組み込める4つの機能
オンチェーン金融とは、レンディング、ウォレット、ステーブルコイン、トークン化資産など、ブロックチェーン上で動く金融の仕組みの総称です。入出金・残高・決済・運用といった金融機能をプログラムとして提供でき、APIを通じて既存のサービスに組み込めます。
個別の調査・分析、セクター指数データの商用利用など、実務のご相談を承っています。
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